HiLyte FluorTM 647 Labeling Kit - NH2
本製品は、抗体など分子量50,000以上で反応性のアミノ基を有する少量のタンパク質を蛍光標識するためのキットです。本キットは、簡便な操作性、高い回収率、高い再現性などの特長を持っています。これまでのFluorescein Labeling Kit - NH2に加えて、550 nm付近、650 nm付近のより長波長で励起できるHiLyte FluorTM色素をラインナップに追加いたしました。Fluorescein LabelingKit - NH2を含めた波長特性は、表1または図3をご参照ください。50〜200 μgのタンパク質を、わずか2時間で蛍光標識することができ、得られた標識体はそのまま免疫染色などの様々な用途に利用することができます。1キットで3サンプル標識できます。
HiLyte FluorTM色素はアメリカのAnaSpec社が開発した蛍光色素です。HiLyte FluorTM 555 はAlexa Fluor 555やCy3と、HiLyte FluorTM 647 はAlexa Fluor
647やCy5とそれぞれ類似した波長特性を持っています。蛍光強度はAlexa Fluor
DyeやCy Dyeより強く、一方、蛍光顕微鏡下で励起光を照射し続けた場合の蛍光強度の減少(褪色)の程度はAlexa Fluor
Dyeと同等です。
<特長>
・ 約2時間で標識体が調製できる。
・ Filtration Tubeを用いた分離操作により高い回収率で標識体が得られる。
・ 付属の保存溶液で標識体の保存ができる。
<キット内容>
・ NH2-Reactive HiLyte FluorTM dye※ 3本
・ WS Buffer 4 ml ×1本
・ Reaction Buffer 500 μl×1本
・ Filtration Tube 3本
※HiLyte FluorTM 555または647
<本キット以外に必要なもの>
・ 10 μl, 200 μl マイクロピペッター
・ インキュベーター(37℃)
・ マイクロチューブ (標識体保存用)
・ 遠心機(マイクロチューブ用)
・ DMSO
※HiLyte FluorTMはAnaSpec社の商標です。
Alexa Fluorはインビトロジェン株式会社の登録商標です。
<標識操作>
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(1) | タンパク質 50〜200 μgを含むサンプル溶液とWS Buffer 100 μlをFiltration Tubeに入れ、ピペッティングにより軽く混合する。 | (2) | 8,000 x gで10分間遠心する。 | (3) | NH2-Reactive HiLyte Fluor 555/647に10 μlのDMSOを加え、ピペッティングにより溶解する。 | (4) | Filtration Tubeのメンブレン上にReaction Buffer 100 μlを加えた後、NH2-Reactive HiLyte Fluor 555/647を含むDMSO溶液 8 μlを加える。 |
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(5) | ピペッティングによりメンブレン上のタンパク質と混合した後、37℃で10分間反応させる。 | (6) | WS Buffer 100 μlをFiltration Tubeに入れ、8,000 x gで10分間遠心する。遠心後、ろ液を捨てる。 | (7) | WS Buffer 200 μlをFiltration Tubeに入れ、8,000 x gで10分間遠心する。この操作をもう一度繰り返す。 | (8) | WS Buffer 200 μlをFiltration Tubeに入れ、10回程度ピペッティングし、標識体を回収する。マイクロチューブに移し、0〜5℃で保存する。 |
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HiLyte FluorTMとAlexa Fluor![]() |
色素の蛍光強度比較(10 ppb硫酸キニーネの蛍光を100とした場合の相対蛍光強度) |
表1 標識体の波長比較
品名 | 標識体の励起・蛍光波長 |
Fluorescein Labeling Kit-NH2 | λex/em = 500 / 525 nm |
HiLyte FluorTM555 Labeling Kit-NH2 | λex/em= 555 / 570 nm |
HiLyte FluorTM647 Labeling Kit-NH2 | λex/em= 655 / 670 nm |
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図3 Fluorescein及びHiLyte FluorTM色素の励起・蛍光スペクトル
<ご使用上の注意>
分子量が50,000以上で、反応性のアミノ基を有するサンプルへ標識することができます。
試料溶液中に標識対象以外の分子量10,000以上の物質が含まれる場合は、標識反応を阻害する恐れがあります。特に市販の抗体は安定化剤としてゼラチンやアルブミンなどの高分子が添加されている場合があります。このような安定化タンパクが添加された抗体や、抗血清、マウス腹水のような未精製抗体をご使用の場合は、あらかじめアフィニティーカラムなどにより精製してご使用ください。精製方法に関してご不明な点がございましたら、小社までご相談ください。
品名 | 容量 | 本体価格(¥) | メーカーコード |
HiLyte FluorTM 555 Labeling Kit - NH2 | 3 samples | 21,000 | LK14 |
HiLyte FluorTM 647 Labeling Kit-NH2 | 3 samples | 21,000 | LK15 |