Labeling Kitシリーズとして蛍光タンパク(Phycobiliprotein)を標識するキットを発売いたしました。少量のタンパク質を効率良く標識することにより、免疫染色やFACSに使用することができます。
研究の多様化にあわせ、目的に応じたLabelingが可能となります。
Q1 蛍光タンパクの波長特性を教えてください。
A1 下図1〜3もご参照ください。
Allophycocyanin (以下:APC) λex = 650 nm, λem = 660 nm
B-Phycoerythrin (以下:B-PE) λex = 564 nm, λem = 575 nm
R-Phycoerythrin (以下:R-PE) λex = 564 nm, λem = 575 nm
Q2 通常の蛍光色素と比べて蛍光タンパクのメリットは何でしょうか?
A2 以下のような点が挙げられます。
・1分子あたりの蛍光強度が大きいので、IgGに1分子が蛍光標識された場合、Fluoresceinなどの数倍の蛍光強度が得られます。
・励起スペクトルの吸収域が広いので、極大を外れた波長でも、励起できます。
Q3 IgG 1分子に対して幾つの蛍光タンパクが標識されますか?
A3 IgG 1分子に対して、1〜2分子の蛍光タンパクが標識されます。
Q4 標識対象となるタンパク質の分子量はどの程度でしょうか?
また、必要なタンパク質量はどの程度でしょうか?
A4 分子量 50,000以上で、官能基として反応性のNH2基もしくはSH基(S-Sも可)を持つタンパク質が対象となります。タンパク質量は50〜200 μgです。
Q5 サンプルが溶液になっていても問題ありませんか?
A5 溶液になっていること自体は問題ありません。
ただし、下記の点をご確認いただいた上でご使用ください。
−濃度−
サンプルの濃度が0.5 mg/ml以下(50 μg/100 μl以下)である場合は、Filtration tubeを用いてサンプル量が50〜200 μgとなるように遠心して濃縮を行ってください。フィルター上に残ったサンプルは再溶解させる必要はありません。そのまま反応にご使用ください。
−溶液量−
Filtration tubeの容量に制限がありますので、溶液の容量は100 μl以下でご使用ください。
−共存物−
・不溶性の低分子が含まれる場合は、予め遠心して上清のみを使用してください。
・分子量10,000以上の物質が含まれる場合には、別途精製を行ってからご使用ください。
*IgG精製キットを試作しております。(前ページをご覧下さい)
Q6 蛍光タンパクは分子量が大きいと聞いていますが、それぞれの分子量はどのくらいですか?
A6 それぞれ以下の通りとなっています。
・APC 約105,000
・B-PE 約240,000
・R-PE 約240,000
Q7 WS Bufferで長期保存できますか?
A7 標識体の安定性はタンパク質に依存しますが、長期保存される場合には等量のグリセロールを添加して-20℃で保存してください。WS Bufferに防腐剤は含まれておりません。また、別途ご用意いただいた保存液で保存していただいても結構です。
Q8 防腐剤としてアジ化ナトリウムを使用できますか?
A8 使用できます。0.1%程度のアジ化ナトリウムの添加は蛍光強度、抗体力価には影響しません。
Q9 蛍光観察する際の、フィルターについて教えてください。
A9 下記のようなフィルターがご使用になれます。
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詳細は各社のHPでご確認ください。
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