お知らせ

九州大学−同仁化学組織対応型連携に関するお知らせ

 九州大学と小社は、九州大学での優れた研究成果を迅速に実用化することを目的に組織対応型(包括的)連携契約を締結致しました。本紙面上で随時それらの成果をご紹介する予定です。今回、Topics on Chemistryにてご紹介致しました「タンパク質蛍光標識技術」をはじめ、下記の技術に関しても実用化を検討しています。これらにご興味がございましたら小社までお問い合わせ下さい。

No.004 分子トラップキャピラリー電気泳動法

 分子トラップキャピラリー電気泳動法は、複雑な組成を持つ試料中に含まれるタンパク質を迅速に分離し、その分離過程において目的タンパク質を簡便に同定するための新しい分析法である。キャピラリー内に抗体を固定化した微粒子を充填し、微粒子の両端に検出部を設ける。分離されたタンパク質は微粒子との反応前後で検出される。一点目で検出されたタンパク質は、微粒子に固定化された抗体と反応し、抗体と反応したタンパク質のピークのみが二点目の検出部の際に消失する。

 この方法はタンパク質の分析法として広く利用されているウエスタンブロッティング法と同等の性能を有し、かつ短時間で分析できるものである。分析に1〜2日を要するウエスタンブロッティング法と比較して、1時間以内で分析が完了する。また、レーザー励起蛍光検出法などの高感度検出法と組み合わせることで、固定化酵素を用いる発光法に匹敵する検出感度を実現できるものと考えられる。