<特長>
・ 溶かす手間が不要な溶液タイプ
・ 判定しやすい青緑色の発色
・ DPDの約2倍の感度
・ DPDより極めて低い毒性・変異原性
・ 簡単な操作の測定法
小社が新しい残留塩素測定法として開発いたしました残留塩素 測定キット-SBT法は、簡単・安全な測定法でどなたにも安心し てご使用いただけるという優れた特色をもっております。
これまで残留塩素測定試薬として汎用されていたオルトトリジ ンは、毒性が高いため、2000年4月に上水試験公定法から削除さ れ、現在DPDが公定法として残留塩素測定試薬の主流となってい ます。ところが、溶液の安定性が悪いDPDは粉末タイプがほとん どで測定の度に開封し溶かす必要があります。特に浴場施設など では1日に何度も測定が必要なため、この作業の繰り返しで非常 に手間がかかっていました。
残留塩素測定キット-SBT法は、溶液タイプですぐに測定がで きるため、貴重な時間の節約のお手伝いができ、さらにDPDより 毒性が極めて低く、正確な測定ができる新しい方法です。
<キット内容>
検水調整液(白キャップ点眼瓶) 1本
色素液(青キャップ点眼瓶) 1本
色調比色計 1式
試験管 2本
スポイド 1本
初めてご使用の際は、キットをお求めください。試薬(100回 用、500回用)および色素液・検水調整液(組み合わせると2000 回相当)は、測定回数にあわせて補充用としてお求めください。 |
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<操作方法>
(1)2本の試験管それぞれに白線まで検水(浴槽水、プール水など)を入れる(水位の調製は添付のスポイドで行ってください)。 | ![]() |
(2)1つの試験管の検水に検水調整液(白キャップ)を2滴加え、軽く振り混ぜる(振り混ぜずに次の操作に進んだ場合、色が着かない場合があります)。 | ![]() |
(3)次いで、色素液(青キャップ)を1滴加え軽く振り混ぜる(残留塩素が含まれている場合、直ちに青緑色の溶液となります)。 | ![]() |
色調比色計の向かって左側に検水だけが入った試験管を、右側に検水調整液、色素液を入れた検水の試験管を入れる。 | ![]() |
(5)2つの窓の色が同じになるように色調比色板を回す。 (6)色調比色計のポイントが指す数値を読む(この数値が検水に含まれる遊離残留塩素濃度で、ppm表示となります)。 |
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<測定時の注意事項>
・検水温度が高いと色が変化し判別しづらくなります。検水温度に より比色板(標準4〜25℃、高温30〜35℃)を使い分けてくだ さい。
・検水調整液、色素液は誤って多く加えても、測定には問題ありま せん。
・色調比色板を使って比色する際は、蛍光灯などのあかりにかざし て行ってください。
・使用後の試験管は水で洗浄して保管してください。
〈SBTの細胞毒性〉 ヒト子宮ガン細胞(HeLa細胞)を用いて、SBTおよびDPDの 細胞毒性を細胞増殖アッセイキット(CCK-8)により求めました。 図から求めたLD50はSBT:13,500 μmol/l、DPD:50 μmol/lとなり、SBTはDPDに比べて非常に低い毒性であることがわかります(Fig.1)。
〈SBT法の遊離塩素選択性〉
下記のように調製した結合塩素1
mg/lのサンプルをSBT法とDPD法で発色させ、吸光度の時間経過を測定しました(Fig.2)。
DPDは結合塩素と反応して次第に発色しますが、SBTは発色が
ほとんどありません。
その後、ヨウ化カリウム溶液を添加し総残留塩素を測定すると、
SBTとDPDは同等の値を示しました。以上のことから、SBTは
遊離塩素に対して選択性が高いということがわかります。
![]() Fig. 1 SBTの細胞毒性 |
![]() Fig. 2 SBT法の遊離塩素選択性 |
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