新製品 3月26日発売

ペルオキシダーゼ標識用キット

Peroxidase Labeling Kit

 酵素を用いた免疫染色法やエンザイムイムノアッセイ(EIA) 法は、高感度分析法として臨床診断や研究に欠かせない手法となっています。さらに、多種多様な抗体が入手可能な現在、酵素免疫法の有用性はさらに増していると言えます。それにもかかわらず、実際のアッセイは、未だに市販の酵素標識抗体に依存しています。これは、酵素標識抗体の作製に時間を要すること、mgオーダーの抗体を使用しなければならないこと、確立された標識法がないためだと考えられます。

 Peroxidase Labeling Kitsは、アミノ基あるいはスルフヒドリル基を有する分子にペルオキシダーゼを標識するためのキットで、標的分子と混合するだけで簡単にペルオキシダーゼ標識体を得ることができます。標識に必要な抗体の量は50〜200 mgで、少量の標識体を調製するのに最適です。また、Filtration Tubeを用いた分離操作によって標識体を回収するため、いくつかの標識体を同時に得ることができます。抗体のような大きなタンパク質だけでなく、低分子化合物への標識もでき、幅広いアッセイ系に適用できます。

Peroxidase Labeling Kit - NH2

<特長>

・3時間以内にペルオキシダーゼ標識体が調製できる。

・高分子化合物(M.W.>50,000)から低分子化合物(M.W.<5,000) まで標識できる。

・Amine Reactive Peroxidaseと混ぜるだけで安定な共有結合を形成する。

・Filtration Tubeを用いた分離操作により高い回収率で標識体が得られる。

・付属の保存溶液でペルオキシダーゼ標識体の長期保存ができる。

<キット内容>3 サンプル標識用
Amine Reactive Peroxidase 100 μg x 3本
Buffer A 4 ml x 1本
Buffer B 4 ml x 1本
Storage Buffer 4 ml x 1本
Filtration Tube 3本

 Peroxidase Labeling Kit - NH2は、アミノ基を有する分子にペルオキシダーゼを標識するためのキットです。Amine Reactive Peroxidaseは、その構造内に活性エステル基を有しているため、アミノ基を有する標的分子と混合するだけで安定な共有結合を形成します。IgGのような分子量の大きい分子をサンプルに使用する場合、付属のFiltration Tubeを用いて簡単にサンプルの前処理を行うことができます(Fig. 2)。ペルオキシダーゼ活性や標識反応を阻害するような低分子化合物(アジ化ナトリウムやトリスな ど)は、Filtration Tubeを用いた前処理によって除去されるため、透析やゲルろ過などの処理を行う必要がありません。また、低分子化合物を本キットを用いて標識する場合、未反応の低分子化合物は付属のFiltration Tubeを用いた精製操作により除去されるため、高純度の標識体を得ることができます(Fig. 4)。

 本キットには標識に必要なすべての試薬と作製したペルオキシダーゼ標識体を保存するための溶液が含まれています。

Fig .1 Amine Reactive Peroxidaseの標識反応


Fig. 2 ペルオキシターゼ標識IgGの調製法


カラム :TSKgel G3000PWXL

溶離液 :pH 7.0, 10 mmol/l リン酸バッファー

流速  :0.8 ml/min

温度  :28 ℃

検出  :UV (280 nm)

Fig. 3 HPLCチャート


Fig. 4 ペルオキシターゼ標識低分子化合物の調製法


品名 容量 価格(¥) メーカーコード
Peroxidase Labeling Kit-NH2 3 samples Request LK11

Fig. 5 1. ペルオキシダーゼ標識anti-CAT (Chloramphenicol Acetyltransferase) 抗体を用いたEIA


Fig. 6


Peroxidase Labeling Kit - SH

<特長>

・3時間以内にペルオキシダーゼ標識体が調製できる。

・高分子化合物(M.W.>50,000)から低分子化合物(M.W.<5,000) まで標識できる。

・Sulfhydryl Reactive Peroxidaseと混ぜるだけで安定な共有結合を形成する。

・付属の還元剤を用いることで遊離SH基を持たないタンパク質へ の標識も可能 *。

・Filtration Tubeを用いた分離操作により高い回収率で標識体が得られる。

・付属の保存溶液でペルオキシダーゼ標識体の長期保存ができる。

* S-S結合の切断によってタンパク質の活性が失われる場合があります。 <キット内容>3サンプル標識用
Sulfhydryl Reactive Peroxidase 100 μg x 3 本
Reducing Agent 400 μg x 3本
Buffer A 4 ml x 1本
Buffer B 4 ml x 1本
Reaction Buffer 4 ml x 1本
Storage Buffer 4 ml x 1本
Filtration Tube 3 本

 Peroxidase Labeling Kit - SHは、スルフヒドリル基(-SH基)を有する分子にペルオキシダーゼを標識するためのキットです。 Sulfhydryl Reactive Peroxidaseは、その構造内にマレイミド基を有しているため、スルフヒドリル基を有する標的分子と混合するだけで安定な共有結合を形成します。標的タンパク質がスルフヒドリル基を持っていない場合には、付属の還元剤を用いて遊離 SH基を調製することが可能です(ただし、S-S結合の切断によってタンパク質の活性が失われる場合があります)。IgGヒンジ領域のスルフヒドリル基を標識に利用すれば、抗体活性を損なわずにペルオキシダーゼを標識することができます。

 IgGのような分子量の大きい分子をサンプルに使用する場合、付属のFiltration Tubeを用いることで簡単にサンプルの前処理を行うことができます(Fig. 8)。ペルオキシダーゼ活性を阻害するような低分子化合物(アジ化ナトリウムなど)は、Filtration Tubeを用いた前処理によって除去されるため、透析やゲルろ過などの処理を行う必要がありません。また、低分子化合物を本キットを用いて標識する場合、未反応の低分子化合物は付属のFiltration Tubeを用いた精製操作により除去されるため、高純度の標識体を得ることができます(Fig. 10)。

 本キットには標識に必要なすべての試薬と作製したペルオキシダーゼ標識体を保存するための溶液が含まれています。

Fig. 7 Sulfhydryl Reactive Peroxidaseの標識反応


Fig. 8 ペルオキシターゼ標識還元IgGの調製法


Fig. 9 HPLCチャート


Fig. 10 ペルオキシターゼ標識低分子化合物の調製法


品名 容量 価格(¥) メーカーコード
Peroxidase Labeling Kit-SH 3 samples Request LK09