Q&A

SOD Assay Kit-WST

Q1 サンプル毎の前処理法を教えて下さい。
A1 下記のような方法があります。

ー培養細胞ー
(1) 培養した細胞をPBSで2回洗浄する。接着細胞の場合は、トリプシン処理を行なった後洗浄する。
(2) PBSを除去後、細胞膜を破壊する。
   例 @−20℃で20分、室温で10分静置。これを2回繰り返す。
       A超音波処理
(3) 新たにPBSを加え、良く混合する。
(4) 10000×gで15分間遠心する(冷蔵庫内で行なう)。
(5) 上清をSOD Assayする。
必要に応じて、たんぱく定量も同時に行ない、全たんぱく量に対するSOD活性を算出する。

ー赤ワイン・緑茶ー
緑 茶: 緑茶10 gに沸騰水60 mlを加え、2.5分間静置して抽出する。これをろ紙でろ過した後、更にメンブランフィルター(ポアサイズ0.45 mm) でろ過し、測定試料とする。
ワイン: 直接メンブランフィルターでろ過し、測定試料とする。緑茶や赤ワイン等はそのもの自体に着色がありますが、100倍程度に希釈すると測定に対する着色の影響は回避できます。

ー植物・野菜類ー
(例:人参、レタス、ポテト、キャベツ、トマト、カリフラワー、ほうれん草、ブロッコリ、胡椒、玉葱など)
(1) 蒸留水(野菜の重量に対し5倍量程度)で、4℃・1分間ホモジナイズする。
(2) ホモジネートをろ紙でろ過し、ろ液(水での抽出物)を凍結乾燥する。
(3) 凍結乾燥したものを、0.1 mol/l リン酸バッファー(pH 7.4)に溶かし、これを測定試料とする。溶かしたものはなるべく早く使用する。
上記測定試料により得られた活性値は、水による抽出物の凍結乾燥後の重量、もしくはホモジナイズ前の野菜の重量当たりの活性値とする。

参考文献
 1) 受田浩之・森山洋憲・川名大介・片山泰幸・中林錦一・沢村正義、日本食品科学工学会誌, 49, 25 (2002).
 2) 浅田浩二・中野稔・柿沼カツ子編, 「活性酸素測定マニュアル」(講談社サイエンティフィック), p.196
 3) Pietarinen-Runtti P, Lakari E, Raivio KO, Kinnula VL, Am. J. Physiol. Cell. Physiol., 278, C118 (2000).


Q2 Mn-SODやCu,Zn-SODを分別して測れる方法はありますか?
A2 KCN添加(Cu,Zn-SOD失活)により、Mn-SODのみの活性を測定し、トータルの活性から差し引く事でCu,Zn-SODの活性が分かります。ただこれは従来から用いられている方法で、本キットでうまくいった例があるかどうかは不明です。SODの測り分けですが、以下の文献が参考になると思います。
亜硝酸法の文献に詳しい操作法が記載されています。
この方法はテトラゾリウム法にも対応できます。

(亜硝酸法での測定)
1) Y. Oyanagui, Anal. Biochem., 142, 290 (1984).
(NBT法での測定)
2) J. A. Sykes, Cancer Res., 38, 2759 (1978).
3) 谷口直之 監修,細胞工学別冊「活性酸素実験プロトコール」秀潤社, P120.

Q3 他の活性酸素種の・OHや一重項酸素などとも反応しますか?
A3 還元物質との反応になります。・OHは酸化物質のため反応しないと考えられます。
  他の活性酸素種に関しては、還元作用を示すものであれば反応する可能性はあります。

Q4 SOD Assay Kit-WSTにSODの標品はついていますか?
A4 キサンチンオキシダーゼは付いていますが、標品となるSODは別途ご購入ください(弊社での取扱いございません)。

Q5 superoxideとWSTの反応の阻害が0(発色が100%)となるところが全く発色しません。酵素(Xanthine Oxidase)が失活しているのでしょうか?
A5 Enzyme solution(Xanthine Oxidase)は酵素の懸濁液になってますので、静置しておくと酵素が沈んでしまいます。よく振ってからご使用下さい。上澄みだけを取ってしまうとsuperoxideは全く発生しませんので発色もしません。

Q6 酵素はどのくらい安定ですか?
A6 37℃保存で1ヶ月、4℃保存だと1年以上安定であることを確認しています。

Q7 前処理等の際に界面活性剤を使うと影響はありますか?
A7 影響はあるかもしれませんが、界面活性剤の種類によっても違います。実際に使用する界面活性剤をブランクのwellに加えた場合と加え ない場合とで比較、確認して下さい。

Q8 取説に載っているプレートのレイアウトの例では、blank2は1つしかありませんが、sampleが違えばそのsample毎に必要なの でしょうか?またその場合測定できるsample数は減るのでしょうか?
A8 このKitは450 nmの吸光度で検出しますので、着色等で450 nmに吸収のあるようなsampleであれば同じsampleでも希釈倍率毎にblank2は必要になります。また、その場合は測定できるsample数は減ってきます。ただし450 nmに吸収の無いようなsampleであればそのような必要はありません。