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NOR 5はNO放出剤であるNORシリーズの中で最も遅いNO放出速度を持つドナーです。
Carboxy-PTIOを用いてNO放出を観察した場合、各NOR化合物
のNO放出の半減期はpH 8.0、30℃で、NOR 1が2.6 min、NOR
3(FK409)が46 min、NOR 4が107 minであるのに比べてNOR
5は1800
minと非常に長いことが報告されています1)。
NOR 3とNOR 5を10
mg/kgでラットに経口投与した場合、血漿NOx量はNOR 3では120分で最大に達するのに対し、NOR
5は360分まで時間依存的に増大し、ゆっくりとNO放出が起こってい
ることが示されています2)。しかしながら尿中に排出される総
NO2-/NO3-量は、分子量の違いでNOR
3の方がモル濃度では幾分高くなるため若干高くなりますが、両者に顕著な差はなくNOR
5から放出されたNOもNOxとして排出されています。また、この
ラットへの経口投与(10 mg/kg)では、NOR
3は血圧降下作用を示しましたが、NOR
5は240分後も血圧の低下は見られないとされています
2,3)。血栓形成抑制作用については、NOR 5は10
mg/kgで37%抑制すると報告されており、NOR 3が1.0
mg/kgの経口投与で35%抑制するのに比べると穏やかな効果を示しますが、代表
的な硝酸薬の一つであるISDN(硝酸イソソルビド)が32
mg/kgでわずか17%しか抑制しないのと比較すると、NOR
5も有効な薬物であると考えられます4)。
NOR 5は他のNOR類と同様に、DMSOに溶解したPBSなどの緩衝液中に添加した時点から、NO放出が始まります。pH 7.4、37℃において、0.5 mmol/lのNOR 5から放出されるNOを、上記と同様にCarboxy-PTIOを用いてESRで測定した場合の半減期は20時間 です。このようにNOR 5はNOR 3などと同様に大量のNOを、非常にゆっくりと放出させることができます。その上、急激な血圧 降下作用を示さないので、eNOSから発生するNOのような長時間 にわたるNOの作用を検討する場合に適していると考えられます。 動物実験での経口投与においては、NOR 3と同様0.5% メチルセルロースに懸濁して投与することが可能です。
参考文献
1) M. Kato, S. Nishino, M. Ohno, S. Fukuyama, Y. Kita, Y. Hirasawa, I. Nakanishi, H. Takasugi, K. Sakane, Bioorg. Med. Chem. Lett., 6, 33 (1996).
2) Y. Kita, Y. Hirasawa, S. Fukuyama, K. Ohkubo, Y. Kato, H. Takamatsu, M. Ohno, S. Nishino, M. Kato, J. Seki, J. Pharmacol. Exp. Ther., 276, 421 (1996).
3) Y. Kita, Y. Hirasawa, Y. Kato, K. Ohkubo, M. Ohno, S. Nishino, M. Kato, S. Fukuyama, J. Cardiovasc. Pharmacol., 30, 223 (1997).
4) Y. Hirasawa, Y. Kato, S. Fukuyama, M. Ohno, S. Nishino, M. Kato, Y. Kita,
Thrombosis & Haemostasis, 79, 620 (1998).
品名 | 容量 | 価格(¥) | コード | メーカーコード |
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NOR 5 | 10mg 50mg |
8,500 32,500 |
348-08011 344-08013 |
N448 N448 |