<特徴>DNAに結合する試薬であり、生細胞の核も染色できる。
-Cellestain- Hoechst 33258およびHoechst 33342(以下Hoechst dyeと略す)はDNAに結合する蛍光色素です。同じようにDNAに結合するPropidium Iodide(PI), Ethidium Bromide(EB)やDAPIは細胞膜透過性がないために、死細胞や固定した細胞しか染色する事ができません。これらのHoechst dyeは容易に細胞内に透過するため、生細胞でも核染色することが可能です。また、DNAの副溝のAT配列に特異的に結合するために染色体分析などにも用いることができます。
Hoechst dyeは変異原性があり、取り扱いには十分に注意を払わなくてはなりません。そこでHoechst dyeをより安全に取り扱っていただくために水溶液化(1 mg/ml)して、それぞれ-Cellstain-Hoechst 33258 solution、 -Cellestain- Hoechst 33342 solutionとして発売いたします。溶液化することにより、秤量時などに起こり得る飛散による実験室内の汚染を防ぎ、使いやすくなりました。
参考文献
1)Lydon M. J., Keeler K. D., Thomas D. B., J. Cell Physiol. 102, 175-181(1980).
2)Sriram M., van der Marel G. A., Roelen H. L., van Boom J. H., Wang A. H., Biochemistry, 31, 11823-11834(1992).
<特徴>ミトコンドリアを染色し、ATP解析に利用できる。
ミトコンドリアは呼吸および代謝によって細胞にATPを供給する細胞内器官です。最近、呼吸のときの副産物として産生される酸素ラジカルが発癌および老化に関与していると言われ、注目されています。Rh123は生細胞に容易に取り込まれ、ミトコンドリアに局在していることが1980年にJohnsonらにより報告されています。ミトコンドリアの産生するATP量とRh123の蛍光強度とは相関があり、細胞内のATP定量試薬としても用いられています。
参考文献<特徴>DNAにintercalateし青色の蛍光を示す。
DAPIは正電荷を持つ蛍光性色素で、DNAの intercalatorとして知られています。一般的に生細胞の細胞膜を透過しませんが、死細胞になると細胞膜が変化するため透過するようになり、この性質を利用して死細胞染色用の蛍光色素として使用されています。細胞膜を透過したDAPIは、DNAに intercalateすることにより青白色の蛍光を出します。
Hoechst dye(Hoechst 33258および Hoechst 33342)と同じようにintercalatorであるDAPIには変異原性があり、取り扱いには十分な注意が必要となります。しかし、DAPIは純水中で安定性が悪く、長期保存することができませんでした。また、PBSなどの溶液にはDAPIが溶解しにくいという欠点がありました。今回の -Cellstain- DAPI solutionは、均一な溶液であり、長期保存が可能です。このようにDAPIを溶液化(1mg/ml)することにより、秤量時などに起こり得る飛散による実験室内の汚染を防ぎ、使いやすくなりました。
コード番号 | 品 名 | 容量 | 価格(¥) |
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343-07961 | -Cellestain- Hoechst 33258 solution | 1ml | 2,900 |
346-07951 | -Cellestain- Hoechst 33342 solution | 1ml | 2,900 |
349-07941 | -Cellestain- Rh123 | 1mg | 3,300 |
340-07971 | -Cellestain- DAPI solution | 1ml | 3,800 |