Q&A

-Nucleostain- DNA Damage Quantification -AP Site Counting-

Q1 このキットで何が測定できますか?
AP siteの定量ができます。AP siteとはapurinic/apyrimidinic siteの略で、損傷したDNAに働く塩基除去修復の過程で現れるものです。AP siteを測定することによりDNA損傷をみることができます。
Q2 今まで販売していたキット(ARP Kit)とはどのように違うのですか?
従来のARP KitはARPでラベル化するところまでを含んだキットで、そのためアビジンや検出用の色素を別途購入していただく必要がありました。この-Nucleostain- DNA Damage Quantification Kit -AP Site Counting-はHRP標識ストレプトアビジンや発色基質溶液などの検出系までを組み込んでおり、簡単にDNA中の塩基損傷部位を測定することができます。
Q3 キット以外に何を準備すれば測定できますか?
必要な器具は、下記の通りです。 その他検体として、DNAを別途精製していただく必要があります。混在するRNAおよびタンパクにより測定誤差を生じる可能性があります。
Q4 5検体以上は測定できないのでしょうか?
本キットにはFiltration Tubeが5本入っております。これは試料をARP標識する際に用いるもので、一つの試料に1本用いることになります。5検体以上を測定される際には、本キットをもう一つ購入していただくか、別にFiltration Tubeを用意していただくことになります。
Q5 キットの保存は冷凍でも大丈夫でしょうか?
中に含まれているHRP認識ストレプトアビジンが冷凍すると劣化してしまいます。これは常温でもすぐに劣化してしまいますので、キットの保存は必ず冷蔵(0〜5℃)で行ってください。
Q6 発色基質は何を用いているのでしょうか?
本キットはTMBZ〔3,3',5,5'-Tetramethylbenzidine〕の安定化溶液を用いております。このTMBZ溶液は青緑色をしており、最大吸収波長は655 nm付近にあります。655 nm付近の波長が最も感度良く測定できます。
Q7 DNA精製はどのような方法で行えばいいのでしょうか?
DNA精製には色々な方法がありますが、統一した方法で精製していただくようお願い致します。一般的に行われているフェノール/クロロホルムによる精製は一本鎖DNAが生じる可能性がありますので、市販のDNA精製キットを用いて精製していただくことを推奨します。
Q8 現在サンプルを3検体分持っているのですが、今回3検体分使用して残り2検体分を1ヶ月後に測定することは可能でしょうか?
残念ながら2回に分けて測定することはお勧めできません。基本的には使いきりと考えてください。しかし、5検体にて測定されたい場合には精製DNAは安定ではないため、まずは3検体分の精製DNAサンプルをARP標識して、0〜5℃にて保存してください。この状態であれば安定に保存できますので5検体集まってから測定して下さい。
Q9 発色の時間はどのくらいでしょうか? また、途中で止めることはできますか?
通常、発色溶液添加後1時間で測定しますが、2時間まで延長しても測定できます。反応を途中で止めたい場合は、下記の操作を行ってください。
1)発色反応後、各wellより50μl抜き取り新しいプレートに移します。
2)1mol/l硫酸50μlを添加後、450 nmの吸光度で測定します。
(吸光度が2を超える場合には、必要に応じて希釈して測定してください)
Q10 測定波長である650 nmのフィルターがないのですが、他の波長での測定は可能でしょうか?
硫酸により反応を停止させることにより、450 nmの吸光度で測定できます。(詳細はA9参照)
Q11 どのくらいの感度で測定できるのでしょうか?
検量線は、0, 2.5, 5, 10, 20, 40 AP sites/105 bpで作成します。測定限界は、105bpあたり1 AP siteとなります。
Q12 一本鎖DNAの損傷(AP site)は測定できるのでしょうか?
標準DNAは二本鎖のものを用いております。一本鎖DNAにはそのまま使用できませんので、ご注意ください。