*5 「絶対的な権限」が与えられていない:例えば、不穏当な記事を強制削除するというような事はNetNewsではまずあり得ない。NetNewsは、ボランティアによって作られたアメリカの草の根ネット"Usenet"を中心として発展してきたものであり、その管理は必要最小限にとどめられている(よく考えてみれば、インターネット自体が"管理"されていないものなのだから、当然と言えば当然である)。ただし、グループ群の運営・管理に関わる情報を提供するようなグループや、特定の情報を提供するためのグループなどでは、例外的に"moderator"と呼ばれる管理者経由でしか投稿できないシステムとなっている(このようなグループは"moderated"と明示されている)。
*6 ニュースサーバ:NNTPサーバとも呼ばれる(NNTPはNetwork News Transfer Protocolの略で、ニュースのやりとりの手順を定めたものである)。E-mailの場合と同様、ニュースはいろいろなところのニュースサーバ間を渡り歩いて送られていく。
*7 利用可能なニュースサーバ:LANに接続されたマシンであればそのLAN上にあるニュースサーバが、ダイヤルアップIP接続であれば接続先のプロバイダのニュースサーバが、それぞれ利用可能である。ニュースサーバの場合、通常はID/パスワードによる認証ではなく、接続できるマシンの範囲を制限することでユーザーの限定を行う。E-mailの場合と異なり、ニュース記事は公開されるものであるから、セキュリティに関する問題自体が発生しない(ただし、内容の改変を防ぐため、NNTP以外の手順による利用は通常許されていない)。なお、誰でも使えるオープンニュースサーバや、対価を払って利用できる有料ニュースサーバも、外国には存在するらしい。
*8 ニュースサーバのニュース受信:正しく言うと「決めてあるグループ以外の記事の転送には関与していない」。したがって、ニュースサーバが受信していないグループの記事を読むことはできないし、そのようなグループに記事を投稿することもできない(ちなみに筆者らの利用している金沢大学のニュースサーバは、約8,700のグループからのニュースを受信している)。ニュースグループの内容うんぬん以前の問題として、すべてのニュースグループの記事を一つのサーバで抱え込むことは物理的に不可能である。