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リポファジー研究の紹介

リポファジーは、オートファジーの 1 種であるミクロオートファジーに分類され、細胞内の小器官である脂肪滴選択的な分解機構として注目を集めています。脂肪滴はエネルギー代謝をコントロールする重要な器官であり、脂肪肝や肥満、動脈硬化症との関連性が分かっています。本稿では、リポファジー研究について解説した被引用件数の多い総説と最近の注目論文を紹介します。

小社では、オートファジーおよび脂肪滴に対する選択的な蛍光プローブを製品化しており、リポファジー研究のさらなる発展に寄与していきたいと考えております。ご要望等ありましたら、小社カスタマーリレーション部までご連絡ください。(脂肪滴検出プローブについては本冊子 P16 をご覧ください)

リポファジー研究論文のレビューとして多数引用されている文献です。細胞内の重要なエネルギー源として利用される脂肪滴中のトリグリセリドは、これまで理解されていたリパーゼによる経路だけでなく選択的オートファジーであるリポファジーが発見されました。本論文ではリポファジーの役割と関連する疾患として脂肪肝、肥満、加齢による代謝障害について解説しています。
Rajat Singh and Ana Maria Cuervo, “Lipophagy: Connecting Autophagy and Lipid Metabolism”, International Journal of Cell Biology, 2012, DOI:10.1155/2012/282041

肝臓におけるオートファジーおよびリポファジーの誘導には肝臓脂質トリグリセリドリパーゼ(ATGL)を必要とし、またそれらは長寿遺伝子として知られる SIRT1 が仲介していることを示しています。

Aishwarya Sathyanarayan, Mara T. Mashek and Douglas G. Mashek, “ATGL Promotes Autophagy/Lipophagy via SIRT1 to Control Hepatic Lipid Droplet Catabolism.”, Cell Rep., 2017, 19(1), 1.
doi: 10.1016/j.celrep.2017.03.026.

PI3K: Phosphoinositide 3-kinase
mTOR: Mechanistic target of rapamycin
AMPK: AMP-activated protein kinase
ULK1: Unc-51 Like Autophagy Activating Kinase 1
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