脚注3:ヘルパーファージ

    ファージディスプレイを行う場合、目的の抗体がファージ上に提示され、 なおかつその抗体遺伝子をコードするファージミドベクターがファージ 中にパッケージングされていなければならない。ファージミドベクター にはファージ構成タンパクとしてscFv-g3p 融合タンパクのみがコードされているので、そのままではファージを形成することができない。そ こで、その他のファージ構成タンパクを供給するためにファージを感染 させる必要があり、そのとき用いるファージのことをヘルパーファージ と呼ぶ。ヘルパーファージには数種類が報告されている。ヘルパー ファージゲノムには複製起点またはパッケージングシグナルに変異があ り、ファージミドベクターよりもファージ中にパッケージングされにく い。そのため、抗体を提示したファージ中には、その抗体遺伝子をコー ドするファージミドベクターが優先的にパッケージングされる。

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